蔵書点検って何?

 毎年6月頃、常陸太田市立図書館では「図書館資料の点検等のため○日〜○日まで休館します」旨のお知らせをし、本館と分室も休館(休室)します。(平成29年は、図書管理システム=5年ごとの更新時期(9月)にあたり、6月ではなく9月に実施。)

 「あんなに長い間休館して何をしてるのか」といぶかしく思っておられる方も多いかもしれません。
 図書館休館(休室)中は、館内の蔵書点検を行っています。
 お店でいうと「棚卸し」のようなものです。
 スーパーなどで商品と在庫の点数を確認したりする作業などがあります。
 
 そこで休館(休室)中の図書館では、どんなことをしているのかをチョットお知らせしたいと思います。

  

ちょっとメモ

 昔、図書館では、「曝書」(ばくしょ)という作業がありました。「曝書」とは、書物を虫干しにすること(『広辞苑』より)で、和装本や漢籍は、夏の強い日光に本をひらいて数時間さらし乾燥させ同時に殺虫していました。
 洋装本の場合は、日陰で干して通風していたそうです。(『図書館ハンドブック』より)。
 天候を気にしながら図書館のまわりや広場を使って本を並べ「虫干し」「通風」をしている風情を想像するだけで、大変な作業。
 私たちは、この名残りで蔵書点検のことを「バクショ」と言ったりもしています。


蔵書点検とは…

 常陸太田市立図書館では、本館、分室、あわせて25万冊・点近くの図書・視聴覚資料があり、毎日多くの皆様にご利用いただいております。
 蔵書点検では、それらの資料が正しい場所にあるか、無くなっている資料はないかを
職員全員で総点検を行っています。

作業の手順

1.資料に貼ってあるバーコードラベル(資料の番号)を、1点、1点、ポータブル端末(POTのバーコード読取機で読み取っていきます。(分担して読み込みますので、ひとり5,000〜7,000点の資料をスキャンすることになります。この作業は、本館・分室あわせて約5日間かかります。)

2.読み込んだデータと蔵書データを機械に取り込んで突合せ、所在場所とデータの違う資料、所在不明の資料の一覧表を作り 、この一覧表を基に、行方不明資料の館内捜索を行います。

3.一度行方が分からなくなると、多くの資料の中から1点の資料を探し出すのは大変です。万が一、その資料を必要としている方がいても提供できません。ですから、この機会に、書架の奥に落ちていないか、間違った棚に戻された資料がないか、いつもより念入りに書架整理をしたり、番号順に並べる作業も行います。